IT製品強制認証制度:中国が概要公表へ 日本は撤回要求

 

中国政府がICカードなどのIT(情報技術)セキュリティー製品の情報を企業に強制開示させ、認証されない製品の国内で

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の流通を禁止する「強制認証制度」の概要を5月1日までに公開する方針を日本政府に通告していたことが24日、分かった。

 

ソフトウエアの設計図などIT製品の「頭脳」といえる技術が強制審査されることにもなりかねず、日本政府は世界貿易機関(WTO)などを通してこの制度の導入撤回を求める考えだ。

 医療機器など人命にかかわる製品の強制認証制度は各国にあるが、ITセキュリティー製品については、各国とも国際基準に基づいた任意の認証制度しかなく、認証を受けるかどうか▽どの技術を審査機関へ提出するか--の判断は企業側に委ねられている。

 中国政府は07年8月、認証制度について定めたWTOの協定に基づき、強制認証制度の導入方針を公表。昨年1月には、コンピューターへの不正侵入を防ぐソフトウエアやICカードなど13品目を対象に今年5月1日から制度を開始すると発表した。

 製品を制御するソフトウエアの設計図は企業の重要な知的財産であり、強制認証の対象になれば、情報流出の恐れがあるほか、審査手続きが煩雑となり、日本企業にとっては製品輸出の障害にもなりかねない。

経済産業省の試算によると、13品目の中国への出荷額(現地生産を含む)は1兆円に達する。

 中国の制度導入は、他国製品を排除する保護主義政策につながる懸念もあり、日米欧は「通商貿易や産業への影響が大きい」と反発。

中国政府は3月には、5月1日の導入延期を表明した。

二階俊博・経産相は24日の閣議後の会見で「中国から今月『5月1日までに改めて制度について公表する』と説明があった。

導入されると日中両国の通商や産業発展に問題が生じる。あらゆるレベルで再考を求める」と述べ、中国側の出方に注目している。【柳原美砂子】

 

【ことば】▽強制認証制度▽ 中国のITセキュリティー製品について、中国政府が審査、認証したものだけに国内への輸入・出荷・販売を認める制度。

07年8月に導入方針を表明し、昨年1月にはコンピューターへの不正侵入を防ぐソフトウエア「ファイアウオール」やICカード、迷惑メール撃退ソフトなど13品目を対象として今年5月1日から開始すると発表したが、日米欧の反対で実施を延期した。

 

引用 http://mainichi.jp/select/biz/news/20090425k0000m020085000c.html

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